
鼻漏、くしゃみ、鼻閉はアレルギー性鼻炎の症状です。
アレルギー性鼻炎の検査
鼻汁好酸球検査
- 鼻汁を採取・染色して、顕微鏡で観察します。
- 鼻汁の原因が、アレルギー性炎症か感染性かを判別できます。
- 原因となるアレルゲンはわかりません。

血液検査 RAST
- RAST(ラスト)は、ダニ、すぎ、ひのきなど、主要なアレルゲンをピックアップして調べます。 5-6種類ほどを確認すれば大体の鼻炎アレルゲンを把握できますので、こちらを勧めることが多いです。
- 1項目あたり、330円(3割負担)です。6項目であれば1980円(3割負担)になります。これに、別途診察料がかかります。
- 結果がでるまでに4-5日かかります。
* 血液検査で抗原が特定できないことがあります。例えば、明らかにスギ花粉で鼻炎症状がでるのに、血液検査では反応がないこともあります(偽陰性)。逆に、スギ花粉症状がないのに、血液検査で反応があることもあります(偽陽性)。

血液検査 view39
- View 39 (ビュー39)は、39種類のアレルゲンを一度に検査できます。
- 約5000円(3割負担)になります。これに、別途診察料がかかります。
- 結果がでるまでに4-5日かかります。
* 血液検査で抗原が特定できないことがあります。例えば、明らかにスギ花粉で鼻炎症状がでるのに、血液検査では反応がないこともあります(偽陰性)。逆に、スギ花粉症状がないのに、血液検査で反応があることもあります(偽陽性)。
RASTとView39のどちらがよいですか?
当院では、アレルギー性鼻炎の抗原検索として、RASTをおすすめしております。
RASTは定量的評価(どの程度ひどいか)に優れています。
View39は定性的評価(何にアレルギーがあるか)に優れていますが、定量的評価はRASTに比較して劣ります。
食物アレルギーでは、血液検査での診断価値は低く、経口負荷試験(実際に食べてみてどうか)で評価する必要があります。
薬物治療
アレルギー性鼻炎の薬物治療には、抗ヒスタミン薬、鼻噴霧用ステロイド、ロイコトリエン拮抗薬があります。症状や社会環境に応じて、これらの
薬物を組み合わせて、症状を緩和させます。ただし、これらは対症療法であり、根本的にアレルギーを治す治療ではありません。
抗ヒスタミン薬
- アレルギー性鼻炎の症状を抑える最も使用される薬です。
- ヒスタミンというアレルギー性炎症を抑える物質が組織に結合する前にブロックします。
- 副作用として、眠気があります。眠気がほとんどない薬もありますが、眠気が強いものの方が、効果は高い印象があります。症状の強さや職業、学習環境(受験)などを考慮して、バランスの良い薬を選択します。
- 妊娠や授乳をしていても内服できる薬もあります。
鼻噴霧用ステロイド
- 鼻漏、鼻閉、くしゃみいずれにも効果があります。
- 薬物治療を組み合わせて使用することが多いですが、鼻噴霧用ステロイドだけでも十分治療効果があります。
- 鼻噴霧用ステロイドに含まれるステロイドは、全身への循環量が非常に低く、幼児でも安全に使用できる薬剤です。

ロイコトリエン拮抗薬
- 鼻閉に対して効果が高い薬物です。
- ロイコトリエンは血管を拡張させて鼻の粘膜を膨張させます。そこで抗ロイコトリエン薬が鼻の粘膜などにある受容体に結合するのを防ぎ、粘膜の腫れやむくみを抑制します。
- アレルギー性鼻炎治療の補助的な役割を担います。
舌下免疫療法

概要
・ アレルギー性鼻炎(スギ、ダニ)に対してアレルゲン免疫療法を行っています。
・ アレルゲン免疫療法は、体質が改善させ、治療終了後も長期間症状をおさえたり、アレルギーそのものを治す可能性がある治療方法です。
・ 「抗アレルギー薬で症状を抑える」のではなく、「アレルギー体質を改善する」というコンセプトの治療で、副作用も少ない治療です。
・3-5年の治療期間を要します。
・こちらも参考に http://www.torii-alg.jp/ アレルゲン免疫療法(鳥居薬品)

治療効果

- 全体で80%くらいの方が治療効果を実感できます。
- 一方、20%くらいの方は、あまり効果がありません。
- 3-5年の治療継続が必要です。

対象
・年齢が5歳以上の方
・血液検査でアレルギーの原因が、ダニかスギで特定されている方
・「アレルギー性鼻炎診療ガイドライン」では、重症度に関わらず、舌下免疫治療が推奨されています。
・当院では、年中薬が手放せない方、薬で抑えられないほどひどいアレルギー症状が頻回にある方は特におすすめしております。
・ 喘息発作を繰り返している方、食物アレルギーがたくさんある方は副作用が強くでる可能性があります。
導入方法
- まずは一般外来受診を
- ・アレルゲン免疫療法の説明
・血液検査を確認(ダニ、スギ)
・導入日を予約(初回、1週間後)

- 初回導入日
- ・院内で初回量(低用量)の舌下錠を投与します。
・30分ほど待機していただきます。

- 1週間後
- ・院内で維持量の舌下錠を投与します。
・30分ほど待機していただきます。
- 通院
- ・処方は30日制限があります。
・1ヶ月に1回来院していただきます。
・3-5年の通院治療が推奨されています。
副作用
・10人に1人くらい、口腔内のヒリヒリ感、浮腫がでることがあります。
・非常にまれですが、重度の下痢、アナフィラキシー様症状がみられることもあります。

鼻炎レーザー治療
鼻閉改善に効果があります。
このような方にはおすすめです。
- 薬物治療で症状が十分抑えられない方
- 通年性に鼻閉があり、内服薬の減量をしたい方
概要
・アレルギー性鼻炎に対して下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術を行っています。
・主に鼻閉に対して効果が期待できます。
・手術時間は約10分ほどです。
・12歳以上が実施可能です。
・手術費用は、29,100円(3割負担で9,700円)です。

手術までの流れ
①まずは、外来を受診して、レーザー手術について相談してください。
②手術の説明を聞いて、治療希望がありましたら、日程を決定します。
手術日は原則、平日11:30―12:30です。
③手術日に来院していただき、レーザー治療を行います。麻酔に20分、手術に10分程度要します。
④手術後の安静は不要です。
⑤1週間後に来院していただきます。
注意点
・術後3-4日は、鼻がつまります。
・90%の方で鼻閉改善効果がありますが、満足度は様々です。
・1-2年ほどで、治療効果はなくなります。
・鼻中隔湾曲が強い方はレーザー治療ができません。
・小児アレルギー性鼻炎では、成人と比べて有効性が低いです。
後鼻神経切断術
概要
・後鼻神経切断術は、重症なくしゃみ、鼻水を抑えることを目的とした手術です。
・アレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎などの鼻疾患において薬で十分な効果を得られない場合や根治を目指す場合に行われる手術です。
・後鼻神経は鼻水とくしゃみを制御する神経です。後鼻神経切断術はこの神経を部分的に切断することで下鼻甲介からの鼻汁分泌量の減少させ、下鼻甲介の過剰な知覚を抑えます。
・当院では内視鏡を用いた日帰り手術で治療が可能です。

注意点
・アレルギー性鼻炎に対して、根治的な治療効果が期待できます。
・手術費用は片側 91,380円(3割負担;K344 経鼻腔的翼突管神経切除術)です。所得に応じて高額療養費制度も適用されます。
・日帰り手術ですが、手術日を含め、3日間の自宅安静が必要です。
・手術による合併症のリスクがあります。
